テンカラ釣りのいちばんの魅力は、毛ばりにヤマメが反応してくる瞬間を「目で見て楽しめる」ところです。
目の前でヤマメが「バシャッ!」とジャンプして毛ばりに飛びついたり、水中の毛ばりをくわえた瞬間に「ギラリ」と反転する姿が見えると、思わず「わぁ〜っ!」なんて声が出ちゃうことも。テンカラ初心者さんなら、きっとその迫力にびっくりするはずです。
もちろん、そんな派手なアタリばかりじゃありません。姿は見えなくても、手元のラインの動きや違和感からヤマメの食い気を読み取って合わせることだってできるんです。
今回は、そんなテンカラ釣りの中でも「レベルライン」を使った釣り方について、わかりやすく解説していきます!

テンカラ釣りとは?シンプルで奥深い日本の伝統渓流釣り
テンカラ釣りは、鳥の羽などを使って作った「毛ばり」と呼ばれる疑似バリを使って、ヤマメやアマゴといった渓流魚を狙う、日本の伝統的な釣りスタイルです。
もともとは、山あいの渓流沿いに暮らす漁師さんたちが、ヤマメやアマゴを食料や生計のために釣っていた実用的な漁法。だからこそ、テンカラ釣りには「職人技」や「玄人向け」というイメージを持つ人も多いかもしれません。
でも実は、テンカラ釣りって仕掛けもすごくシンプルで、初心者でも始めやすいんです。リールを使わないぶん道具も軽くて、渓流釣りの楽しさを気軽に味わえるのがテンカラの魅力!
自然の中で魚と駆け引きしながら、毛ばりを操る。そんなテンカラ釣りの世界を、あなたもぜひ体験してみませんか?
レベルラインってなに?テンカラ釣りをもっと快適にする仕掛けの話
レベルラインとは、テンカラ釣りで使うフロロカーボン製の水中糸のこと。特徴は、ラインの太さがずっと一定(同じ太さ)になっていること。釣具店では「2号」「3号」なんて号数で売られていて、これをテンカラ竿の先に結んで使います。
このフロロカーボンラインを使ったテンカラ釣りのスタイルを「レベルライン・テンカラ」と呼びます。
レベルラインの良いところは、まず軽くて自然に毛ばりを流せること。撚り糸(よりいと)と比べるとしなやかで扱いやすく、腕を伸ばして竿を操作すれば、ラインが余計な流れに巻き込まれにくいんです。そのぶん毛ばりを狙ったコースで長く流せるので、魚にアピールしやすいのがポイント。
それに、状況に応じて仕掛けの長さをサッと調整できるのも便利。ラインを切ったりつないだりも簡単で、仕掛け作りもラクちんです。クモの巣に引っかかっても、指でシュッとしごけばキレイに取れるのもありがたいところ。
テンカラ釣りをもっと快適に、そしてちょっと本格的に楽しみたいなら、レベルラインをぜひ試してみてくださいね。
竿と仕掛け
- テンカラ竿:3.3m〜3.6mのやわらかい調子 先調子よりも胴調子が使いやすい。
- ライン:フロロカーボン3号〜4号
- マーカーライン:目印として約15cmくらいをラインとハリスの間に結ぶ。
- ハリス:フロロカーボン0.8号〜1号
- 毛ばり:普通毛ばり
ヤマメが潜むポイントを見極める!毛ばりを流す前に大事なこと
川には、エサが自然と集まってくる流れがあります。ヤマメはそんなエサが集まりやすいポイントに身を潜めて、流れてくる虫や水生昆虫を待っているんです。
もしヤマメが川のどこにでもいるなら、適当に毛ばりを流せば釣れるはず。でも実際は、目の前の流れに適当に毛ばりを流しても、なかなか反応してくれませんよね。
テンカラ釣りで大切なのは、ヤマメのエサが流れ着く場所を予想すること。その予想が当たれば毛ばりに反応があり、ヤマメが「バシャッ!」と食いついてきます。そして次は、その当たりがあった場所と似たような流れや地形を見つけて、もう一度毛ばりを流してみる。そうやって「答え合わせ」をしながら、ヤマメが潜むポイントを絞っていくんです。
たとえば、こんなところはヤマメの好ポイント。
- 流れと流れが合流する場所
- 反転流ができて、ゆるやかな渦が巻いているところ
- 岩にぶつかった流れ。うけと呼ぶポイント
- 川底が急に浅くなっているブレイクライン
- 大きめの底石の影
- 白泡の下
- 落ち込みや、落ち込むちょっと手前
こういった「変化」のある場所に、ヤマメは身をひそめてチャンスをうかがっています。少しでも「なんか怪しいな」と感じたら、迷わず毛ばりを打ち込んでみましょう。流し方や立ち位置を変えるだけで反応があることも多いですよ。
ナチュラルドリフトとは
テンカラ釣りでよく聞く言葉に「ナチュラルドリフト」があります。
これはズバリ、毛ばりを流れにのせて自然に流すこと。
たとえば、毛ばりを流れと逆方向に引っぱったり、流れに対して横切るように動かしたりすると、毛ばりが不自然な動きをしてしまいます。すると、普段は自然に流れてくる虫を食べているヤマメには、「なんか変だな?」って見破られちゃうんですね。
でも、ナチュラルドリフトで毛ばりをエサのように自然に流してやると、ヤマメは安心して食いついてきます。
しかも、毛ばりを流すときに「このあたりでヤマメが食ってくるかな?」とポイントを読んで流せば、ドンピシャで反応が返ってくることも。まさに、狙い通りに釣れた瞬間の気持ちよさがテンカラの醍醐味です。
逆に、毛ばりが引っ張られて変な動きをすると、ヤマメの動きが読めなくなってチャンスを逃すこともあります。「毛ばりの動きにヤマメもついて行けないし、釣り人も合わせづらい」なんてことも。
だからこそ、テンカラ初心者さんはまず**「毛ばりを自然に流す」=ナチュラルドリフト**を意識してみましょう。それができるだけで、釣果はグッと変わってきますよ。
注目するのはラインの動き
ヤマメがいそうなポイントを見定めたら、ナチュラルドリフトで毛ばりを自然に流していきます。
ちなみに、ぼくは毛ばりをちょっと沈め気味で流すスタイルが好きです。
さて、テンカラ釣りで毛ばりを流しているとき、釣り人はどこを見てると思いますか?
「毛ばりを見てるんじゃないの?」と思うかもしれませんが、実は毛ばりじゃなくて“ラインやハリスの動き”を見てるんです。
というのも、実際に川で釣ってみると、毛ばりってほとんど見えないんですよね。
波に揉まれたり、白泡がかぶったり、逆光でギラついたりして、すぐ見失います。
なので、「この辺を流れてるかな〜」とマーカーラインで毛ばりの位置をざっくり把握しておけばOKなんです。
重要なのは、ラインのちょっとした変化を見逃さないこと。
ヤマメが毛ばりをくわえると、スッとラインが止まったり、フッと動いたりします。
この変化が「アタリ」なので、見つけたらすぐにアワセを入れましょう!
でも注意したいのが、ラインをピンピンに張りすぎること。
張りすぎてると、毛ばりをくわえた瞬間に「ゴンッ」と手に伝わって、ヤマメに違和感を与えてしまい、一瞬で毛ばりを吐き出されてしまいます。
だから、ラインの張り加減をうまく調整するのが釣果アップのコツです。
ヤマメが水面まで浮いて毛ばりをパクッとくわえるときや、水中で反転して「ギラッ」と横っ腹が光るとき、そんなときもアワセのチャンス。
でも焦らず、「ちょい遅めのアワセ」が有効です。
慌ててバシッとアワセても空振りすることがあるので、落ち着いてタイミングを見極めましょう。
ヤマメの取り込み
ヤマメがヒットしたら、次は取り込みです。
竿の長さに対してラインがちょっと長めのセッティングなら、合わせと同時にスパッと引き抜いてしまうのが一番ラク。
まるで**鮎の友釣りみたいに、タモでキャッチ!**って感じです。
この方法だと手早く取り込めて、バレ(針が外れて逃げる)も少なくなります。
でも、サイズが良くて引き抜けないときは無理せず、竿をしっかり立ててラインを手繰って寄せてから、タモでやさしくすくってあげましょう。
テンカラのレベルラインはフロロカーボンでけっこう強いので、よほどのことがない限りラインブレイク(切れる)は少ないです。
良型のヤマメとも安心してやり取りが楽しめますよ。
まとめ
今回は、レベルラインを使ったテンカラ釣りについて紹介しました。
レベルラインは撚り糸よりも軽くて、毛ばりを自然に流しやすいのが特長。
仕掛けの長さも自由に調整できて、ラインを切ったりつないだりもラクチンです。
ヤマメがエサを待っている流れを見極めて、そこに毛ばりを流す。
流し方は“ナチュラルドリフト”が基本!
横引きや逆引きで出た魚は、なかなか合わせにくいのでご注意を。
実は、釣り人が見ているのは毛ばりじゃなくて、ハリスやラインの変化。
その微妙な動きに集中して、アタリを逃さないようにしましょう。
魚が掛かったら、合わせと同時に引き抜いてタモでキャッチ!
このやり方がバレも少なくてスマートです。
テンカラ釣りは、エサ釣りに比べると3倍くらい歩きます。
だからこそ、ポイントの見極めと“見切り”が大事。
そしてヤマメは、最初の一投で食ってくることが多いんです。
なので“一振り目”はとくに集中して、丁寧に毛ばりを打ち込みましょう。
それでは、また次回〜!
楽しいテンカラ釣りを!
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